長らくホッタラカシになってしまいましたが、今度また曙機関として単行本が出ます。

あっち! 石を投げないで……! 石を……
タイトルからすると、いかにもオタク向けの本のような印象になると思いますが、中身は思いのほか真面目な北朝鮮研究書になっております。
今のところ我々曙機関としては、これまで雑誌や書籍などで紹介してきた北朝鮮内部の実態の集大成と言って良いでしょう。北朝鮮の画家たちが描いた金正日の肖像画や政治ポスターなど、貴重な画像資料もふんだんに掲載いたしました。

どうすですか? 結構“萌え”ませんか!?

だんだん、萌えてきたでしょう……?

イケメンでなおかつ八頭身……、これだけ美化して描いているのにもかかわらず、金正日将軍様以外の他の誰にも見えない、という……、北朝鮮美術界の恐るべき力量がここに投じられているのですよ(呆)。

黄金の騎馬像なんていうものまで、あるんだぜェ……。










本当はフルサイズでご覧に入れたいんですが、このブログは2MBまでしか掲載できないので、後はサムネイル用に縮小した画像でご勘弁ください(実際に本に印刷されたものは、かなりの迫力ですよ♪)。
こんな小さな画像でも、あの国の歪な実情がリアルに伝わる事かと思います。
他にもいわゆる“萌え系”のイラストレーターさんが、いわゆるアキバ系とでも言うんでしょうか、魅力タップリ(?)のイラストを添えてくださいました。



以下は、本文として書かれた原稿の一部(喜び組編)です。
■喜び組に萌えよ!
北朝鮮には、金正日将軍様とその側近達に仕える専門の美女集団『喜び組』が存在する……、という事が現在ではすっかり有名になってしまった。彼女等は将軍様が催す宴会の席で高官達の席にはべり、気に入られればそのまま将軍様から御下用されて別室で彼らにSEXの奉仕をしてくれるのだという。
もちろん北朝鮮当局がこんな組織の存在を公式に認めたことは無いが、それでも韓国に脱出した北朝鮮政府の元高官や、金正日将軍様の宴会に列席した海外の著名人などの証言で現実に存在していたことは間違いないものとされている。
彼女達は金正日将軍様の身辺警護を行う朝鮮労働党5課に所属し、海外からの賓客が北朝鮮を訪問するとその歓迎の席などに出動して、多くの場合はそのまま寝室のベッドまで同行してサービスを行なう。
2002年に当時の小泉首相が北朝鮮を訪問し金正日将軍様と会見した際、首相だけでなく日本側の随行員全員が北朝鮮政府の提供した食事や酒にいっさい手をつけることも無く、全員が日帰りで帰国したことが『いくらなんでも、外交儀礼に反するのではないか? 』と取り沙汰された事があったが、これは喜び組による過剰な接待(というか“ハニートラップ”)に政府職員が引っかかる事を警戒したためにとられた処置であった。
朝鮮半島にはその昔、妓生(キーセン)という国家資格を与えられた売春婦制度があり、当時臣従していた明や清といった中国王朝からの使者をそれによってもてなす習慣があった……、という歴史はあるものの、いくらなんでも21世紀の現代に、一応は社会主義を標榜する国家で国営の美女売春婦組織が存在するというのはグロテスクに過ぎるだろう。
この本の他の章でも触れたと思うが、実際のところ北朝鮮という国の本質は社会主義国などではない。むしろもっと古代の体質を持った社会。金日成・金正日父子を皇帝にいただく専制独裁国家だと見るのが一番正確だろう。
それが証拠に故金日成が死去した1994年から三年の間、北朝鮮社会は“喪に服す”と称して国会に当たる最高人民会議を一度も開催しなかった。最高人民会議が開かれなければ、いくら北朝鮮だって国家予算を決めることはできない。つまり三年間の間、北朝鮮は予算が決まらないまま国家が運営されていたのである。
計画経済のはずの社会主義国で、こんなことは考えられない。泉下のカール・マルクスが聞いたら、気が狂いそうな話ではないか。
しかし皇帝専制政治の国であれば、それもできないことはないのだろう。そもそも金日成の存命中からでさえ、北朝鮮の社会主義システムなどちゃんと機能してはいなかったのだから。
北朝鮮は社会主義国などではない。ではいったい何なのかと言うと、それは中国や韓国と同じような“儒教社会”だ。
北朝鮮や韓国のような儒教社会の特徴の一つは、ことさらに“男女の性差”を強調する、ということにある。つまり『男女七歳にして席を同じゅうせず』とか、『男は男らしく、女は女らしく』という、アレだ。
“男らしい”とは何か? “女らしい”とは何か? という事について真面目に議論していくと全く別の話題になってしまうので、北朝鮮や韓国で一般的に“男らしい”ことの典型とされているイメージを列記してみよう。
例えばそれはこんなことだ。
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これらは中国古典の『三国志演義』や『水滸伝』に登場する英雄豪傑をイメージしてみればピッタリだろう。
韓国でも北朝鮮でも、男はできる限りこの“男らしさ”のイメージの通りに振る舞おうとする。だから朝鮮民族にとって“男らしくない”というのは最大の侮辱だ。北だろうが南だろうが、朝鮮民族の男は必ず“男らしく”なければいけないのである。
そしてこの“男らしさ”のイメージの頂点を演じている人物こそ、金正日将軍様そのものではないのか。
金正日将軍様が剛毅な性格であることは、朝鮮中央通信のテレビ放送などで盛んに喧伝されているし(豪放磊落であること)、核兵器開発やミサイル発射など世界をアッと驚かせるような決断をすることも知られている(大胆で、決断力があること)。
さらには、アメリカという世界最強の国家に対してしばしば挑戦的な行動をとることを考えれば、勇気があると言えないことも無い(勇敢で、巨大な敵にもひるまないこと)。普段は宴会でヘネシーのブランデーを浴びるように呑み、ダンヒルの紙巻タバコを好むヘビースモーカーである事も、亡命者の証言などによってすっかり有名になってしまった(大酒を飲み、タバコをよく吸うこと)。
あれだけ困窮している国であるにも関わらず、国家の記念日には、側近の将軍達や功績を上げたスポーツ選手などに豪華な贈り物をすることも知られている(物惜しみをせずに、気前よく金を使うこと)。
そして彼が(女性や目下の人間に対して、尊大に振る舞うこと)については、もはや説明の必要もないだろう。
つまり金正日将軍様は案外、朝鮮民族が“男らしい”と考えるイメージをその通りになぞった没個性的な生き方をしているのである。



北朝鮮では故金日成や金正日将軍様の誕生日など、国家の重要な記念日には功労のあった軍人や子供達に気前良く豪華な贈り物が与えられる。
ひょっとしたら現実の金正日は、気の小さい男かもしれない。アメリカの攻撃に始終脅えていて、趣味は手芸と詩を書くことなのかもしれない。宴会のたびごとに、トイレでこっそり喉に指を突っ込んで呑みすぎた酒を吐き出しているのかもしれない。
だとしても金正日はそんなこと、おくびにも出す事はできない。南北6千万の朝鮮民族を統べる指導者として、最高に男らしい人間を演じなければならないからだ。

水陸両用ジープに乗って最前線から渡河作戦の指揮をとる金正日将軍様の姿を描いた絵である。朝鮮民族の指導者である以上、将軍様はこのように雄雄しくあらねばならない。私だったら絶対にご免こうむるけれど。
普通に考えても、こういう生き方を強いられる事は相当に疲れる。金正日将軍様だって、ストレスが溜まってしょうがない事だろう。
ではその朝鮮民族最高に“男らしい”金正日将軍様のストレスをとりはらい、彼の心を癒すにはどのような女性が相応しいだろうか……。当然それは、最高に“女らしい”女性でなければならない。
美しくて可愛らしく、声が良くて踊りも上手い。優しくて思いやりがあり、いつも男の要求通りに振る舞って、そしてSEXのテクニックも抜群……。
つまり最高に“男らしい”金正日将軍様に対して、最高に“女であること”で奉仕することを任務とした特殊な集団、それが喜び組なのだ。
そう考えればこの奇怪な喜び組という組織のことが納得……、というか理解できる。

北朝鮮の本質は、ことさらに男女の性差が強調される“儒教社会”だ。女の子達は幼い頃から徹底して“女らしく”ふるまうことを要求されて育つ。
伝えられるところでは現在、北朝鮮に招聘されて帰国した中国人ダンサーなどの証言によると喜び組の組織は解散されているという。金正日将軍様の体調が思わしくないために、余計な刺激を与えないようにとの配慮によるものだ。
しかし、上に述べたような北朝鮮社会の体質が変わらない以上、後継者とも伝えられる三男の正雲が政権を掌握するようになればまた将来、喜び組が復活する可能性は充分にある。
その日まで我々は、“喜び組萌え”を維持していかなければならない。


by おっさん
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