前回このブログでは『中国には独立した消防組織が存在しない』という事実を紹介した。
中国では、火事の消火や災害の救助に出動するのは、準軍事組織である武装警察の任務なのである。
このことは、日本ではご存知ない方が多かったようで、多くの方から『意外だった』というメールをいただいた。
ミャンマーのサイクロン被害や四川省の大震災で、国際社会ではあたかも『大規模災害が発生した場合には、すぐにでも外国の援助隊を受けいれなければならない』というコンセンサスが出来上がったような感がある。まず被災者を救援する事が重要で、全てのことは二の次だといった、いわば“救援至上主義”だ。
確かにその正義は尊重されるべきなのだが、しかし世の中には中国のように、災害の救援をもっぱら軍隊やその眷属がやっている国があることも、考慮の内に入れておかなければいけない。
このブログを書いている5月下旬、四川省大震災の被災地に自衛隊機を飛ばして救援物資を届けるかどうかが政治的に問題になっている。
幸い、というかなんというか、中国側の反発によってこの件は沙汰止みになったようだが、石破防衛大臣の発言を始め、ネット上の議論にはイケイケの論調が多い。
飛行が中止になった事についても、『中国政府は心が狭い』、『礼儀知らずだ』というような書き込みが掲示板などで散見される。
しかし本当に自衛隊が災害支援のために中国に行った方が良かったのか? あまりにも安全保障上の危機感が足りなさぎるのではないか、と我々は思う。
いや日本は、自衛隊どころか緊急援助隊すら、中国に派遣するべきではなかったのかもしれない。
こういった国際支援とか微妙な外交問題は、“相互平等”が原則なのだ。これはつまり、日本が中国の災害に援助部隊を派遣する以上、逆に日本に大災害が発生した場合には、中国が自国の援助部隊の派遣を申し出た時、「それを断ることができない」という事を意味する。
もし仮に今度、日本で大規模な震災や伝染病の蔓延など、大規模な災害が起こった時、中国政府がそれに『緊急援助隊の派遣』を申し出たら、日本はどうするのか。
中国が派遣しようとするその“援助部隊”は、間違いなく武装警察の隊員であったり人民解放軍の兵士であったり、あるいはその混成部隊なのだが。
大災害が発生して一人でも人手が必要な時に、外国からの支援の申し出を断ることは難しいだろう。ましてや日本がかつて緊急援助隊を派遣した国から、『あの時のお礼に』と言われたら、なおさら断ることは出来ない。
だとすると日本政府は、中国の武装警察や人民解放軍を、国内に受け入れるのか?
その時、彼らが武装してやってこないという保証は無い。自動小銃だの機関銃だのを持ってくれば、もちろん日本政府としては抗議するだろうが、そのくらいのことは平気でやってくる連中だ。『日本だって、イラクに“復興援助”で自衛隊を派遣した時、自動小銃や装甲車で武装して行ったではないか。』と主張してくるかもしれない。
(伝染病の発生などの場合、強制的に患者達を隔離したりする必要があるため、防疫の現場に携わる人間がある程度の武器を持つ事は、まんざら理不尽な事でもない)
チベットで僧侶達を弾圧した武装警察や、北京の長安街でデモ隊を無残に撃ち殺した人民解放軍が、災害支援を口実に日本にやってきて、傍若無人に振る舞う事態を許してはならない。
この件については、6月末に発売されるオークラ出版の雑誌『激論』に依頼されて小文を書いているので、皆さんにも是非お読みただきたい。


by fuckyoujap
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